オフィスから始めるサスティナブル経営

1992年6月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロ市で開催された地球サミット(環境と開発に関する国際連合会議)で、持続可能な開発を旨にしたアジェンダ21が採択されてから23年を経て、2015年9月持続可能な開発目標(SDGs)が採択された。

その間にも、世界の多様なステークホルダーは「環境と開発」という、一見相反するものの両立に向けて議論を重ね、特に企業の持続可能な社会構築への役割は大きいと認識されてきた。

2011年には、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が、ハーバード・ビジネス・レビュー誌で“Creating Shared Value”を発表。「CSVは、社会的責任でもなく、慈善活動でもなく、サステナビリティでさえなく、経済的な成功を達成するための新たな道である」と述べている。

このように企業の社会的責任にスポットが当たる中、意外と見逃されているのは、オフィスのオペレーションに関するサスティナビリティーではないだろうか。

事業のサスティナビリティーを追求する企業であっても、オフィスの電気、水の利用、廃棄物など、足元のサスティナビリティに視点を落とすことは、意外と難しかったりする。見逃しがちなオフィスでできるエコなこと。それに気づかせてくれるのが、オペレーション・グリーンというプラットフォーム。

オペレーション・グリーンでは、オフィスでできるエコな18施策の一覧と、施策を導入した企業の施策導入までのプロセスなど、事例を発信している。

導入へのプロセスで最も重要といえるのは、社員による現状把握である。トップダウンで従うのではなく、自分たちが使っているエネルギーや水量、また廃棄するゴミの量や内容を知ることで、社内でよりよい理想の姿を想像し、話あうことが出来る。エコ化に向けた価値観と方針を社内で共有していくことが、サスティナブル経営ではとても大切ではないだろうか。

まだ始動したばかりのこのプラットフォームが、今後多くの事例を発信し、オフィスのエコ化が当たり前の世の中を目指す。