「メディアはメッセージである」という言葉は、20世紀の英文学者、文明批評家であるM·マクルーハンが、代表作である『メディア論―人間の拡張の諸相』の中で展開し、多くの人に影響を与えた概念の一つである。
今回はこのマクルーハンの言葉を軸に「メディア」とは何かについて考え、そしてその「メディア」をどう活用していくかについて考えてみたい。
マクルーハンの先ほどの言葉の中には、メディアとメッセージという2つの単語がある。
「メッセージ」とは、伝えたい内容のことでありコンテンツのことである。例えば、好きな人に送るメッセージなどを考えるとわかりやすい。何か相手に伝えたい「思い」があり、その「思い」がメッセージと考えられる。
では、「メディア」とは何を指しているか。
一般的に「メディア」とは、新聞、テレビ、ラジオなどのことを指し、媒体と訳されることも多いが、マクルーハンは、「メディア」というのは人間の身体の「拡張」であるという。
メディアを人間の身体の「拡張」ととらえると、一般的に言われている狭義の「メディア」とは違う新しい「メディア」というものが見えてくる。
メディアとは、「誰もが持っているものであり、作り出すことのできる(考え出せる)ものである」ということだ。
また、マクルーハンの概念の中心には「メディア自身が既にある種のメッセージを含んでいる」というものがある。
これも先ほどと同様に、好きな人へ送るメッセージで考えるとわかりやすい。
好きな人へどういう形でメッセージを届けるのか、チャットを使うのか、メールなのか、手紙なのか。あるいは顔を見て直接伝えるのか。
メッセージは同じだとしても、伝える「メディア」を変えることによって受け取り手の感じ方は変わるはずである。
それは、これらのチャット、メールや手紙が、既にある種のメッセージ性を含んでいるメディアだからである。
では、実際にこの考え方をどうアクションに活かしていけばいいのか。
一つには「同一コンテンツの多メディア展開」というのはどうだろうか。これは、作成するコンテンツは一つ。ただし、メディアを変えることで、それぞれの意味を変えて伝えていくという手法である。
メディアを変えることで、メッセージの意味を変えられるというメディアの特性を活かしたものだ。
実際にアウトプットできるように、メディア活用シートを作成したので活用してみてください。
■各項目の説明
[何のコンテンツを]:どういう内容の情報を発信しますか。
[いつ]:情報を発信する時期はいつですか。
[何を使って]:どの媒体(メディア)を使いますか。
[誰に対して]:メッセージを伝えたい相手は誰ですか。
[どのように]:例えば年に何回発信するかなど現時点では想像で構いません。 [オンライン/オフライン]:インターネット上で発信するものがオンライン。それ以外はオフラインになります。